絆きらめく恋いろは 感想
ある日、ふとTwitterを眺めていると、エロゲ半額キャンペーンのお知らせが流れてきました。そこでDMMにアクセスしてサイトを眺めていると、以前から気になっていたとある作品が目に止まりました。それが今回プレイした「絆きらめく恋いろは」です。
萌えゲーアワード2017ではグラフィック賞を受賞した作品で、新ブランドの処女作でそれなりの評価も受けているということもあり購入しました。
しかし、DMMからのDL方法がわかりにくく、また解凍後のソフト電池を使った認証にも手間取ること6時間…その過程でファイルに何かしらの問題が起きたのか、ゲームをプレイ中にバグが発生したり強制終了することが続出しました。メーカー様への問い合わせも行いましたが、ウイルスソフトを止めたりセーブデータを全て消去して最初からやり直したりするのに抵抗があったため、バグが起きること前提でこまめにセーブしながら最後まで完走しました。
この記事を読んでいる方々へ言っておきます。DL版を購入する時はダウンロードの手順やゲーム起動までの流れをきちんと把握し、余計なところはつつかずに行ってください。
さて、前置きはここまでにして、そろそろプレイした感想を書いていこうと思います。
初期起動画面。起動時はずっとこれでもよかったかなと。ヒロイン攻略ごとに起動画面が変わる仕様なのも好きですけどね。
シナリオ構成、全体的に感じたこと
攻略ヒロインは4人で桜夜のみルートロックがかかっており、先に他の3人を終わらせる必要ありですが、選択肢は難しくなく攻略ルートに入るのは簡単でした。
オリガミと呼ばれる特殊な細工を施した刀で行われるスポーツ”刃道”を扱うだけかと思いきや、400年前の恨みを晴らさんとする妖怪や神様まで出てくるのでスケールの大きな話だなーと思っていました。
ヒロインたちは攻略ルートに入るとそれぞれに成長を遂げ一皮向けていく様子がみられ、どのように成長し自分の道を切り開いていくのかが楽しみではありました。
また、難しい言葉はTIPSにまとめるだけでなくゲームプレイ中にサブウインドウで解説を表示させることもしていて、とても助かりました。わかっていることにまで解説をつけるのは遊び心ってやつですよね?
共通ルート
主人公の刀輝がある日偶然作り出したものから現れた三条家の守り神を名乗る綾瀬(CVの小倉結衣さん最高です!)と出会い、はてまた編入生である上和泉桜夜と出会うことで始まる物語だったなあと。
刀輝のことを弟のようにかわいがってくれる学園最強の剣士である椿、なんだか放っておけない後輩のしおん、勝手に主人公をシショーと呼び弟子入りしてきたフリージア…
気がつくと周りは女の子だらけ。
いいね、こういうのは!
ですが、共通ルートでは刀輝が刀鍛冶であるにもかかわらず刀を打てなかったり、狐のお面をかぶったなにかに襲われたりと多くの伏線も用意されていて、それらのほとんどは桜夜ルートに入らないと回収されないんだろうなーと思いました。
演武祭も本戦を迎え、さて誰のサポートをするかの選択肢が出たところで共通は終了。
攻略は、椿→フリージア→しおん→桜夜という順番にしました。
朱雀院椿ルート
最初の印象は、何このチートキャラ…って感じでした。
しかし、共通ルートで桜夜と相掛かり稽古をした時には既に強さには綻びが見えはじめていたと思いました。椿は強い。でも強いだけでしかないって言えばいいでしょうか。
朱雀院の負けた者に価値などない、勝たねばならないという考え方に縛られていた部分もあってか、彼女は常に負けない戦いをしているように見えました。
演武祭本戦1回戦にて桜夜と戦っている時の椿の負けたくないというどす黒い感情や必死に勝ちにすがりつこうとする姿の描写は上手かったと思います。
2回戦で戦う千石葵との戦いは判定で勝利したものの、自身のオリガミは壊れ、勝負にかって試合に負ける形となったわけですが、私としてはズバッと葵に倒されて敗北してもよかったんじゃないかと思っていました。
とはいえ、椿の心は十分折れてしまっていましたし、本家からも見放される形となったわけで、これはもう負けたも同然だったのかなあと。
折れたオリガミに価値などないと言う椿に対して、そんなことはないと言い、告白するシーンは良かった。
そして刀輝は椿の使っていたオリガミを元にした新たな刀”ヒノトリ”を打ち椿へ渡します。このヒノトリがかっこいいこと!!何度でも蘇る不死鳥をイメージした椿の新しい翼としてこれ以上のものはないのではないかと。また、ヒノトリを受け取りこれを使うことで朱雀院との決別をする形にもなったと思います。
葵との再戦は、負けた自分を超えるためという目的もあったのでしょうが、演出的にもここでしかヒノトリを見せる場面がなかったからなのかなあとも。
ともあれ、自分一人の狭い世界で戦うのではなく、周りの人たちの力も借りて自分の翼で自由に飛び立ち戦う椿の姿はとてもすがすがしく見ていて気持ちのよいものでした。
ラストに姉の都子と手合わせしてましたが勝てはしなかったようですね。
ヒノトリを使った最大の見せ場のCG。とてもかっこいいです(๑•̀ㅂ•́)و✧
椿ルート攻略後の起動画面。笑顔の椿がとてもかわいいです。ここで追加されるエッチシーンでは椿がアルコールにめちゃくちゃ弱いことが判明しますね。将来大丈夫なのかな…いや余計な心配ですね。
フリージア・ゴッドスピードルート
技工科所属で刀鍛冶志望ということから、大して派手な展開は見せないだろうとたかをくくっていたら大間違い。刃道における介添人の重要さを思い知らされるルートとなりました。
それが最も活かされたと思うのが、演武祭本戦における萌生菜VSしおん戦。刀輝は萌生菜と、しおんはフリージアと組み、互いに持てる力を全て出し切ったオリガミを作り、萌生菜としおんはそのオリガミで試合をするというもの。介添人と選手は通信でやりとりすることができ、オリガミの制御コードなどをいじることも可能なため、なんだかんだと重要な役割なのに今更気づきました。共通ルートで分かれとも言う。
さて、肝心の試合なわけですが、これがまた熱い試合な上に互いに奥の手を仕込みあっていて常に何がおきるかドキドキさせられるという面白いものでした。
一番驚いたのは萌生菜のオリガミが双剣だったことですね。
二刀流が二本の刀を同時に扱う流派であるのに対し、双剣は二本でワンセットの武器という違いがあるようです。二刀流は二本の刀を攻撃と防御に分けるのが基本らしいですが椿は二本とも攻防自在にできるんだとか…
話を戻して、刀輝の用意した双剣は萌生菜のスピードを活かしつつさらには斬撃のスピードまで上げてくるという仕様。オリガミに仕込まれた機構はフリージアにすぐに見破られてしまうものの、私としてはこれまでおバカキャラでしかなかった萌生菜がめちゃくちゃ輝いてるように見えてしかたありませんでした。
一方のフリージアはしおんの精神感応係数に応じたスペシャルなオリガミを用意。普通に強いのですが、なによりも驚くのは、フリージアの状況に応じてオリガミに調整を加えてしまう高度なプログラミング能力と分析力と判断能力の高さでした。
試合中の調整は一歩間違えればしおんのオリガミは破壊され負けとなる状況の中での大胆な行動に刀輝は戸惑いつつも、萌生菜に的確な指示を飛ばしていたと思います。この試合に関しては、萌生菜としおんだけのしあいではなく、刀輝とフリージアも含めた4人の熱い死闘として目に焼き付いていました。互いの本気をぶつけ合う最高の試合展開だったと思います。
結果は僅差で萌生菜が負けしおんの勝利となりましたね。試合後に刀輝がシミュレータールームで萌生菜にもう泣いていいんだぞと言って、萌生菜が泣いたシーンは心にきました。本気でぶつかりあったからこそ、負けて悔しい。それがにじみ出ていたと思います。
この試合のあと、刀輝とフリージアの関係も進んでいくわけですが、なんというか、エッチシーンにおいてフリージアがおもらしキャラになっちゃっいましたねー
それは置いておいて、刀輝と一緒にしおんのための新しいオリガミを作り、椿との戦いには負けたものの、椿の刀にひびをいれたことで椿は斎匠を辞退しフリージアがその座につく形に。でもフリージアはこれに満足せず変わらず刀輝のもとで学ぼうとするわけで、なかなかにすごい女の子だなと思いました。
フリージア攻略後の起動画面。彼女の笑顔が眩しい!
藍原しおんルート
おっぱいが大きくて控えめでかわいい女の子。こういう娘好きです。はい。
一度は刃道をやめようと思ったところを刀輝に声をかけられ、彼の指導を受けてめきめきと才能を伸ばしていくその様子は目を見張るものがありますね。
物語としては、刀輝がしおんの持っている霊刀をオリガミとして使えるようにしたあたりから徐々に刀輝に異変が起き始めていくわけですが、それが桜夜ルートへの伏線の一旦を担っていたのではないかなーと思っています。
演武祭本戦では、葵に勝ち、椿に負けこそしたものの、しおんの実力がとてつもないものであることは明らかで、精神面まで鍛えてしまえばほぼ負けることはないんじゃないかなーって思いながら見ていました。
しおんが刀を持つCGはどれも力の入り具合がすごくて、かっこいいものばかりなんですよね。控えめで優しい彼女が見せる勇ましい姿というのがこれまた違った印象に映るわけです。
かと思えば、水着を着てのこんなあどけなくもかわいい表情も見せてくれるのですからしおんはたまりません!本当にかわいい!
さて、演武祭はちょっと早めに終わった感じになるのですが、本番はここからで刀輝に取り憑いていたマガツミが封印を解かれ桜夜を殺そうと動き始めます。
しおんルートではひばりもちょいちょい絡んできており、2人になぞの勾玉を渡してきます。後に効果を現すわけですが、ひばりが只者ではないことはなんとく察しました。
マガツミは刀輝を乗っ取り実際に被害を加えていく中、教師である巫琴は退魔師の派遣を要請。退魔師に退治されると最悪刀輝自身も消えてしまう可能性を指摘されたしおんは、愛する人を救うため、一人マガツミをおびき出し戦うことを決意します。
マガツミに乗っ取られた刀輝と戦うしおんは精神面の弱さをつかれて劣勢に立たされてしまう場面が何度かあったように思います。でも、勾玉を通じて刀輝の思いを聞き、覚悟を決めて立ち向かい、マガツミを討ち果たした彼女はまた一つ成長したのではないかと思います。真剣を向けることの怖さ、刀を扱うことがどういうことか、そうしたことをしおんは心に刻み込んだのではないかなと。
それにしてもですね、個人的に思ったことなのですが、マガツミさん喋りすぎなんじゃないですかね?自分がどうしたいかだけでなく、これまでの経緯とかべらべら喋るじゃないですか。お前こそ戦いに集中しろよ!って思わず言いたくなりました。
しおんルート攻略後の起動画面。人前で愛する人にキスをする大胆な場面ですね。大好きな人のためならどんなことでもやってのけてしまいそうな彼女のことがとても大好きです。ほんと、しおんみたいな女の子を嫁にもらいたいです。
追加のエッチシーンがまさかの授乳手コキだったのいいですね!最高ですよもう!
上和泉桜夜ルート
ルートロックがかかっているのも納得な出来と言ってよいと思います。
他の3人の攻略が前提にしており、それらで得た情報からマガツミや都子の目的、ひばりの正体、綾瀬の正体など、全ての伏線を回収しにかかってくるルートですね。
桜夜との恋人関係が思った以上に早く進展してこれで大丈夫かと戸惑いましたが、2人が恋人関係でいることが物語に大きく影響するようにも見られたのでそれでよかったのかなと。なんていうんですかね、このルートで重要なのは桜夜と刀輝の絆だったのではないかなあと思ったのですよ。
綾瀬の依代となっていた鏡を使って作ったオリガミ”天桜夜”はとてつもない強さを発揮し、羅刹を目覚めさせると学園最強の椿を圧倒しなぶり殺しに近い状態にもっていくので恐ろしかったですね。
この禍々しい雰囲気。危険な状態なのにかっこよくも見えてしまいました。
フリージアの力を得て天桜夜の暴走を止めた刀輝ですが、この後から都子が動き始めますね。これ以降桜夜が刀を振るう場面が見れなくなるので、桜夜の戦う姿をもっと見たかった私としては少し残念ではありました。
都子は天桜夜を学園の宝物庫から盗んだあと、天桜夜を新たな依代としたマガツミに操られることなく、というか自分の言いなりにしようとしてる感じ…
というか、都子は強い剣士と本気で戦って死にたいという自分の願いにとことん忠実でそのためなら何でも利用する人間に見えましたね。
医療室で寝ている桜夜を殺そうとしたら椿に妨害されますが、椿に瀕死の重症を負わせて桜夜を誘拐して刀輝を誘い出す状況を作りだしました。この時、椿が刃道から外れた人を殺すために剣を振るう姿勢が見えたのは意外でした。
で、刀輝を強力な結界の中に誘い出して都子は刀輝に真剣勝負を申し込むわけですが、都子が強すぎるというか、刀輝が本気になりきれてないというか、それで都子がぶちぎれて桜夜の太ももに剣を突き刺して…
なんかもう途中から都子が悪役みたいになってきたなあと思ったのですけど、自分の欲に忠実なだけであって、刀輝の実力も買っていたので本気を出させるために最後まで希望をもたせるようなことをしていましたね。マガツミがこれを許していたのも、刀輝も上和泉の血を引く人間で殺す対象だったからなのだろうなーと思いながら見ていました。綾瀬がマガツミの言葉を代弁するように出てきたのには驚きましたけどね。
そして、刀輝が自身の刀を取り上げられ負けが確定した一方、結界の外ではひばりとしおんが力を合わせて結界を破壊。これを察知した綾瀬の言葉で都子の手は止まり、さらに飛んできたしおんの霊刀を見て綾瀬は刀輝にそれを持たすなと焦り出すも都子は無視。というか、これで強くなるなら強くなってくれよって感じでしたね。
ここからはあっという間だったと思います。しおんの霊刀を握った刀輝は羅刹の力を発動させて都子を上回る動きで圧倒。なにこれ、桜夜と椿の決勝戦の焼き直し?って思うぐらいの展開にポカーンと…ともあれ、刀輝は天桜夜にひびを入れ、その後の一撃で刀をへし折り都子に痛烈な一撃を加えて戦闘終了。
都子は本懐を遂げたようなものなのでここで殺すように言い、刀輝もそれを受け入れるものの、桜夜がそれを拒否。正直、自分の命を狙ってくる相手を活かすだなんて正気か?って思ったのですが、桜夜には刀輝に人を殺すようなことをしてほしくなかったのかな、いやもっと大切な何かに気づいてほしいという思いでもあったのかなあと。
全てが終わり、桜夜の胸の傷跡も呪いによるものでマガツミの消滅とともに消えるという事実が明かされ、綾瀬との別れを経てエンディングへ。
エピローグでは物語がから6年経ち、刀輝と桜夜の娘である輝咲が登場。卒業してすぐ子どもができてその後2人して叢雲学園の教師になるってこれまたすごいことするなあと。メイン・サブ含め各キャラクターのその後も語られいい感じにまとまったのではないかと思います。
桜夜ルート攻撃後起動画面。このためだけにCG用意していたみたいですね。
おわりに
作品全体としては、どのルートも戦闘シーンがとても熱く、躍動感にあふれており一度戦い出すと最後まで目が離せない面白いものになっていたと思います。
また、上には上がいるというのを思い知る作品でもあるなあと。学園最強と呼ばれる椿の上には都子がいますし、都子の上にはしおんの霊刀を持った刀輝や朱雀院家の本家の人間…といった形で。でも、誰も自分が最強なのだと奢っていない所がいいです。
覚悟や信じる心、神とはきまぐれなものじゃよなど、考えさせられることはいくつもあったなあと思いながら楽しくプレイさせていただきました。
今回も長々と書き連ねてしまいましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。そろそろ艦これの夏イベが始まるので、次に記事を書くのは間が空きそうです。