にこつきの美少女ゲー日記

美少女ゲームの感想やグッズ、情報について綴るブログ

月に寄り添う乙女の作法 感想

最近エロゲはストレスなくプレイできる最も自分にあったゲームなんじゃないかと思うにこつきです。乱数にも運にも邪魔されず、テクニックも要らない…うん、すばらしいぞエロゲ!

さて、今回プレイするのは萌ゲーアワード2013大賞受賞作品「月に寄り添う乙女の作法」通称つり乙です。なお、今回はアペンドディスクを単品購入してアフターまでプレイしています。アフター未プレイの方にはネタバレしますのでご注意を。

7/28にスタートしてプレイを終えたのが8/12なので約半月といったところでしょうか。かなりのペースで進めていたと思います。

購入した理由は貼り付けたツイートにもありますが、

・女装潜入ものをやるのが初めて

・服飾をテーマにしているのは珍しい

・主従関係の描きが方が絶妙と高評価だったので興味を持った

・ルナ様ありがとうって言いたくなる理由が知りたくなった

というのが主な理由です。初心者にオススメのエロゲとしてとあるサイトで紹介されていたのを真に受けたとも言っていいのですが、全くの初心者にはちょっとレベル高いんじゃないかなーとプレイしながら感じていました。だってさ、女装してのエッチシーンってレベル高くないですか?しかも主人公の女装が完璧といっていいレベルなのでなおさら…ね?

ま、そんなことはさておき、プレイしてみた感想を書いていきますね。

シナリオ構成、ぱっと見の感想

一度は閉ざされたデザイナーへの夢を諦めれない主人公が女装して桜小路ルナの付き人として聖フィリア女学院に潜入し、個性豊かなお嬢様達とその付き人達と12月のフィリア・クリスマスコレクションを目指して服飾の勉強をしていくお話。

選択肢の数は少なめで、ルートロックもかかっていないので攻略順は誰からでも可能。なお、BADENDも用意されていますがこちらは続編となる乙女理論へ続くためのルートとなっていますね。こういう作りはなかなか面白いものだと思います。

なんか、ちょーざっくりとした見方ですけど事細かに書いていてもしょうがないので大筋だけにしています。物語の中ではフィリコレが一つの目標になっていて、そこにいくまでの間に主人公の女装が兄の衣遠とヒロインにバレて、フィリコレをどう乗り切るかという流れですね。

ぱっと見の感想は当時のツイートを見たほうが早いと思うのでそちらをペタペタしておきます。

まー、みごとにルナ様のことばかりですね。いや、でもね、ルナ様に心酔したのは確かです。ルナ様以外のルートやっている時でもそうでしたけど、ルナ様の言うことって一言一言が身にしみるのですよ。何度も泣かされました。

また、この作品はルナ様の存在感がすごく強くて、彼女が才能の塊であるだけでなく、器の大きな人間でもあることがあってかどうしても他のヒロインが一歩見劣りするぐらいの印象がありました。

一方、もう一人存在感の大きな登場人物がいました。大蔵衣遠です。彼が登場した時に流れるBGM「愛を拒み覇道を行く天才のテーマ」がめちゃくちゃかっこいいというだけでなく、彼の放つ言葉とプレッシャー、入学式での言動、鬼畜ともとれる行動の数々は見ていてびっくりしました。私の衣遠に対する最初の評価は「言ってることは分かるがやることは酷すぎる」というものでしたが、プレイを進めアフターまでこなしていくうちにその評価は大きく変わることになりました。結局のところ、彼は大蔵家を手に入れることが目標であり、その道である覇道を進むことは鬼畜の所業だと言っていましたし、彼は彼の道のためにひたすら突き進んでいたのだなと。あとブラコンかよ…と思う場面も。りそなといい大蔵家とはまったく…

そんななこんなで、ルナ様と衣遠という強烈な印象をもつ2人はどのルートでも重要な立ち位置にいたと思います。衣遠が出れば緊張感が高まり物語の展開が変わってきますし、ルナ様は必要な時に必要な言葉を主人公やヒロイン達に投げかけてくれる。そうして物語は動いていく…という風に感じました。

共通ルート

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遊星が女装する前の心の言葉。そうですね、負けですね。でもそれでも自分の夢のために女装+メイドなんてすごい…主人公本気なんだなって思わされたシーンでもありました。個人的にはりそなが歪んで育ったけどかわいいなこんちくしょーとか思いつつ。

さて、そんな遊星の女装した姿小倉朝日の姿を見た私は…

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Σ(゚Д゚)

これではたからみて男だと分かるか普通…出来すぎてて怖いわ。という感想でした。

とはいえルナ様の付き人にもなれたのはよし。

そして桜小路家で共に過ごすことになるルナの友達のお嬢様3人。

共通ルートは至って平和だなーと思いました。

クワルツ賞に関わる問題で衣遠が出てきてルナ様の家庭事情があまりよろしくない件が出たものの、基本的には大きな問題は起きずといった感じだなーと。湊にだけ正体がバレていますが、うっかり言っちゃったとかいうミスをしない湊すげーと。

その一方、朝日はデザイナーではなくパタンナーとしての才能を見せ始め、ルナ様にも一目置かれるようになりますね。私もこの作品をプレイしてはじめてパタンナーの存在を知りました。2次元で書かれたものを3次元で立体的にするのはまた別の能力なんですね。こういう影で支える人たちのことまで覚えておきたいものです。

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共通ルートで笑わされたのはこのシーン。ルナ様いくらなんでも酷すぎますww

ユーシェが教室で「モトカレは犬ですわ!」と言った時のあのやばさw

文量も長くなってきたので個別ルートの感想に移りまーす。アフター込です。

ユルシュール=フルール=ジャンメール ルート+アフター

ルナ様もライバルと認めるだけの才能を持つユーシェですが、ユーシェ自身はルナには叶わない部分があり実は劣等感に苛まれていた。そこに朝日が加わってユーシェの持てる才能を発揮させていくという流れですね。

普段強気に出ているユーシェの本心を知った朝日はその交換条件として自分の正体を明かし、次第に恋仲になっていくわけですが、文化祭の時に一つの山場がきますね。

主人であるルナに逆らった罰として朝日に対して、ルナは朝日に醜態を晒す命令を下しそれに対して恋人が目の前でそのように扱われることに対して憤り悲しむユーシェなわけですが、この場面はルナ様がユーシェに発破をかけてるようにも見えました。

そうしてルナ様とユーシェの2つの衣装を12月のフィリコレに出すことが決まった矢先に学院長代理である衣遠の突然の決定(職権乱用)でフィリコレに出す衣装が3点までから1点のみに変更されます。でもこれは朝日の正体を遊星だと知った衣遠が弟を捻り潰すためにやったことでしたね。そりゃまあ、朝日の存在自体認めてはいけないのが普通なものの、衣遠の要求きつすぎないかとプレイしていた当時は感じました。

裏を返せば、お前を認める機会をもう一度やる。やってみろ。ダメなら引きずり落とすという感じですかね。サーシャがスタンレーと過去のつながりが強かったこともあってたった2人での衣装製作は無茶がすぎねーかと思いつつも、生花(エーデルワイスに似た花なんだったっけ?)を使った仕掛けでユーシェの故郷スイスを連想させる仕掛けとレベルの高いドレスとスイス人であるユーシェが着ることではじめて魅力を発揮させて最優秀賞を取る流れは素直にすげーと感動してました。

アフターは思うように結果を出せないユーシェの再起動をかける物語という印象でした。が、衣遠がユーシェに対しての具体的なアドバイスをしていたのはちょっと驚きでした。でもまあ、才能ある人間に、学院長として何か言うのは自然なことだろみたいな感じだったのでそれもまあ自然なことなのかなって。

それ以上に、話があれよあれよと進んで衣遠がジャンメール家と話をつけて卒業後は遊星とユーシェが結婚する流れになったからええーって。。。今思えばこれも衣遠が覇道を突き進むためにあえて結婚の話を用意したんだろうなと。

本編では涙を流すことが多かったユーシェでしたが、アフターではだらけつつも楽しく元気に笑っていたのが良かったと思います。

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花ノ宮瑞穂 ルート+アフター

幼い頃に男子からうけたイタズラが原因で極度の男性恐怖症という設定のグラマラスなヒロイン。朝日には親友以上の過剰なスキンシップを求めていくため、どのルートでも朝日が正体をバレるのが一番恐れている相手だったと思います。

瑞穂ルートでは親友としての友情を育んでいった山場で衣遠の策にはまり最悪の形で正体がバレるという展開なわけですが、この場面への持って行くまでの流れはおみごとだと思いました。なんといいますかね、じわりじわりと追い詰められていって気づいたらもう逃げ場はないぞっていう形に見えたのですよ。

瑞穂が朝日の正体を知り、呆然とするシーンは印象的でした。これは辛い。

そしてここから物語が一気に加速。

屋敷にもいられなくなったと悟った朝日は全員の前で自らの正体を明かすわけですが、その後にルナ様からかけられた言葉にとにかく泣きました。

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ルナ様の器の大きさを感じた瞬間でした。自分にたいして嘘をついていた人間にこんな言葉をかけてやれるだなんて。でもそれは、朝日のことをきちんと見ていたからこそなんだろうなって。

その後の北斗との会話も印象的で、自分が朝日の正体を知ってしまった時に話し合いもしようともせずにいたこと、朝日に勝手に期待をかけ勝手に失望したことなど。

そうして朝日の周りが固まってきたことで、朝日は瑞穂のための衣装を作り続ける日々へ突入。花ノ宮家の邪魔が入るもギリギリで12月のフィリコレに間に合い瑞穂は朝日の作った衣装を着て出場して最優秀賞を取るわけですが、この時の衣装がとにかくかわいかった!!

衣遠は結局出し抜かれた形となり渋々学院へ通うことを認めている感じですかね。

フィリコレが終わってはじめて、朝日は遊星として思いを改めて告白し瑞穂と結ばれてゴールインする流れはとても暖かく、見ていて気持ちの良いものでした。

アフターでは本編で何かと絡んできた花ノ宮家の後始末と、出し抜かれる形になった衣遠からの小言をもらう形といってよいでしょうか。

花ノ宮家本家も衣遠も言いたいことは一緒で、遊星を認めるかどうか試させろって感じですかね。花ノ宮では弓道で、フィリア女学院では正体を明かすことで、遊星の存在を認めさせろと。それぞれの場面において、瑞穂は大きな影響を与えていたと思います。彼女の精神的な成長は遊星を支え、花ノ宮本家にも、フィリア女学院にも遊星の存在を認めさせました。でもね、まさかフィリア女学院に朝日レベルの女装男子が入学を許可されるようになるという結末は予想していませんでしたよ。

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フィリコレが終わって改めて告白するシーンのこの瑞穂が好きです。

柳ヶ瀬湊 ルート+アフター

アフターまでやってはじめて完結するルートだなと思いました。理由は単に本編では衣遠の絡みがなく終わってるからというだけなんですがね。

衣遠がいつ朝日の正体に気づくかはルートによって異なっているので、湊ルートでは湊が学院を去った時に同時期に去った朝日の素性を追っていって気づいたのかは知りませんけども。

共通ルートで正体がバレてしまっているので恋愛への発展はわりと早めな感じでした。

話の展開は同級生が柳ヶ瀬運輸の悪口を親に言って取引先をなくさせ経営が逼迫するころから進んでいきますね。まさか倒産するとは思いませんでしたがいくらなんでもそこまで簡単に倒産させられるものなのか?という疑問は残しつつ。。。

朝日は自分の夢を持ちつつも、大切な人と一緒にいたいという思いをとり正体を明かして桜屋敷から出ていき湊と一緒にいくことを伝え、その後は滋賀で働き大阪のメイド喫茶で働きという流れに。

なんか、服飾の話どこいったんやーって感じがしてましたけど、ルナ様たちは暖かく支援してくれていてなんだかのんびりしているルートだなと感じていました。

アフターでは、瑞穂の指示により花ノ宮家による出資をうけてメイド喫茶2号店を東京に開店。日々忙しく働く中、突然店舗が入ってるビルのオーナーが変わり店に審査が入ることに。ここで審査にくるのが衣遠になるというわけで、やっと物語が動く…と思ったものです。実際の審査も何かとやりとりがされるのかと思えばさほど酷い展開にはならず、お店の営業は継続OKとなったばかりか、朝日、湊、七愛のフィリア女学院への復学を認めるという話になってなんじゃそりゃーと。

柳ヶ瀬運輸倒産の顛末を学院側が見過ごしていたから湊の学費全額免除は分かるとして、朝日のことはどこを認めたのかなあって。

湊はヒロインの中では目立った才能は引き出していませんが、小物やアクセサリー類、内装関係で才能を発揮していましたね。最後はこういう所が評価を受けていたのはよかったと思います。

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湊はやっぱり元気な笑顔が一番です!

桜小路ルナ ルート+アフター

ここに来るまでの間、なんどルナ様の言葉に心をうたれてきたことでしょう・・・

だから、ルナ様ルートには期待していました。そしてそれだけの感動がありました。

というかですね、ルナ様だけシナリオの力入りすぎでね?って感じるほどでした。

ルナ様ルート入ってまず驚いたのが、フィリコレに向けて衣装を3着作るということ。デザインはルナ様、モデルはユーシェ、瑞穂、湊の3人がそれぞれつとめるという構想の大きさに他のヒロインとは全く違うものを持ってきたなという感じしかしませんでした。パタンナーである朝日の作業量は増加するわけで、忙しさが増していきましたね。その一方で朝日がルナ様のためにドレスを密かに作り始めたのをみて、あ、これ最後に使う伏線やんって気づいてしまったのはお約束でしょうか。

文化祭の時にはルナ様の幼い頃のお世話係だった丸目が登場することで、朝日はルナ様が過去に受けた仕打ちを知ります。最も信頼していた人物からの裏切り、これほど人の心を傷つけ殻に閉じこもらせるものもないでしょう。聞いていて恐ろしい内容でした。

それでもルナ様は負けずに丸目を追いやったわけで、強すぎやしないかと思いつつも、朝日が来たら何かがこみあげてきたんだなーと。ここでキスしちゃう!?とびつくり。

ルナ様と朝日が互いの信頼を深め、朝日がルナ様へ自分の正体を明かすことを決めフィリコレの後に互いに…と決めていたところで衣遠が動き出しますね。

衣遠がまさかの盗作!?おいおいそこまで落ちたか?と思ったのはともかく、衣遠のこの時の真の狙いはアフターで明らかになりますね。

さて話をもどして、ボイスレコーダーまで持ち込んで盗作だと講義するルナ様達を尻目に衣遠はユーシェ、瑞穂、湊の家族の話や弱みを持ち出して反論を封殺、ルナ様だけになった所で朝日の正体を暴露させ朝日班自体をバラバラに、ルナ様は朝日の正体を知っても何も動じることなく、ひたすら言葉を投げかけていたのがすごくて、ルナ様には感服するしかありませんでした。

ここからはもう遊星とルナ様の物語と言っていいのかな。密かに作っていたルナ様のドレスを完成させてフィリコレにルナ様に着てもらう。そのために毎日寝る間をおしんでの作業が続いていきますね。りそなの助けもかりつつ、フィリコレ前日にルナ様に出会い言われたこのセリフ、

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主従関係から恋人関係へと変わるためのルナ様からお言葉。身にしみます(´;ω;`)

そしてフィリコレに行くとルナ様の登場シーンだけ画面がスライドする仕様になってるわルナ様のドレス姿が素敵すぎるわでもうやばかったです!!!

文句なしの最優秀賞ですが、ルナ様は自分の名前しか書かれていないことに抗議しますね。衣遠は不機嫌になりつつもジャンが名前を加えるわけですがここもびっくり!

なんと単に朝日班って名前を加えたのではなく「遊星君と愉快な仲間たち」って入れてる!ジャンは遊星が作ったってわかってただと!?うそーんってなりました。

衣遠はそのことに気づき、遊星の才能を認め、大蔵家の人間、自分の弟と認めるという大団円とも言える終わり方になったなあと感じました。

アフターでは、ルナ様が遊星の母への挨拶を行う場面から始まり、桜小路家本家に婚約を認めさせる傍ら遊星とりそなのフィリア学院受験の3ヶ月が語られますね。

さてここで衣遠が盗作を行った答え合わせも出てくるわけですが、

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一場面しかスクショしてないですけど、衣遠からしたら服飾という世界が盗作もまかり通ってしまうような酷いものだと教えてやりたかった、お前の夢を消し去りたかったのだと。でも俺はお前たちに完敗した。

最初はびっくりでしたけどね。ですが、衣遠のとってきた行動を振り返るとああそうだったのかと納得する部分もあったりします。ほんと、衣遠への評価はアフターをやる度にどんどん変わっていくので新しい発見があって面白かったです。

面接試験へ向かうりそなへのルナ様からのありがたいお言葉

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自分の好きなものには正直でいろ。常にそうありたいものです。

桜小路本家でのやりとりは、選択肢により変わりますね。私としては恋人ENDの形が好きです。愛する人のために本気になった遊星の勇姿がかっこいい。

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ルナ様の美しさと遊星のかっこよさと桜に乾杯

まとめ

最初はどんなものになるかと冷や冷やしていましたが、蓋を開けてみるととても面白い作品でした。ヒロインはルナ様が突出していて、常にルナ様ありがとう!ありがとうございますお優しいルナ様とかしか言わないし、Twitterで感想書く度になんで毎回ルナ様のこと入ってんのとか言われる始末ですっかりルナ様信者になりましたw

主従関係を扱う作品にははじめて触れたのですごく新鮮で、これをもちいたエッチシーンのレベルの高さはすごいなあと。ルナ様ルートにしかなかったですけどレベル高くて私にはまだ早かったです。

アペンドディスクは単品で購入したため、衣遠兄様の華麗なる一日もプレイしています。ギャグキャラと化した衣遠兄様ひたすらワロタwww

今までやってきたエロゲの中でもトップクラスに入るお気に入りヒロインの仲間入りですよルナ様は。

いつもよりも長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。