にこつきの美少女ゲー日記

美少女ゲームの感想やグッズ、情報について綴るブログ

マルコと銀河竜 感想

朝が寒くなってきましたね。風邪などで体調を崩したくないものです。皆様元気でお過ごしでしょうか?

今回はTOKYOTOONの「マルコと銀河竜」の感想記事です。

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概要・あらすじ

銀河をかけるトレジャーハンター(盗人)であるマルコは、ある日トカゲ石と呼ばれる石を盗んだことでとある人物たちから目をつけられる。しかしマルコはそんな中で母親の手がかりを探しに地球へやってくる。銀河竜であるアルコと共に地球でのマルコの冒険が今始まる!

特徴

カートゥーンアニメーションを搭載

カートゥーンとは、

アメリカ合衆国ヨーロッパ一コマ漫画か、ユーモラスな傾向を備えた子供向けのアニメーション作品を指し示す言葉である。

      出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

画風としては、手足のパーツ、目や口が大きく誇張されており、色もビビットカラーやパステルカラーが多用される傾向にある。頭身も低めで、およそ3~5頭身ぐらいのデフォルメされ、各パーツの描き込みや影のつけ方も大雑把に簡略化されている。また、均一な太さの主線で描画されることがスタンダードである。

                               出典:ピクシブ百科事典

というようなもののようです。実際マルコと銀河竜の特徴とも言える特徴的な立ち絵の画風はピクシブ百科事典のものに近いと思います。こうした表現はOPをはじめ、物語の随所で見られます。コミカルで奇抜な印象が強かったです。

また、特徴の一つとして補足しておくと、この作品にはグロテスクな描写がほぼありません(18禁じゃないですし)。宇宙生物(主に地球外生命体)との戦いは基本的にカートゥーンアニメーションで描かれており、グロテスクな表現は基本的に出てきません。

イベントCGスチル1,000枚超え

1,000枚という数値を彷彿とさせるかのように、CGや背景が多数あります。裏を返せば、場面の移り変わりも早かったり1度しか使われなかったりするCGがあるわけで、CG回収大変だーと思うかもしれませんが、そんなことはありませんでした。

シナリオは一本道でしたし、選択肢も1回しかなかったので楽です。また、CGに手抜きなどなかったと感じています。

ミニゲームがある

ゲームを進めていくと突然ミニゲームに突入することがあります。最初は強制参加のようですが、SKIPの選択肢もあるため飛ばすことも可能なようです。

私は全部自分でクリアするまでやりました。星のカービィスーパーデラックス刹那の見切りやってましたし、シューティングは不慣れでも回数こなせばなんとかなるレベルでした。シューティングのコツはドラム缶取ってビームを強化するところでしょうか。

(以下ネタバレ、下へスクロール)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

一本道なので思ったことをつらつらと書いていこうと思います。

マルコの母親探し

主人公マルコの地球にやってきた目的が果たして果たされるかどうか。これは最初にプレイしていて叶うかどうか気になる点だったのではないかと思います。

マルコは幼い頃の記憶がなく、母親の顔も覚えていませんでした。渡された写真はちょうど母親の顔が破れていて、これを宝の地図として金紐市で調査を開始するも、写真屋のおばさんから得た写真で実の母親の顔を見ます。少々展開が早くてびっくりしましたが、回想シーン(おそらく記憶を食べたアルコの)で見たマルコが演奏会を終えて連れ去られる所では実母は殺されている可能性が高かったので違和感を持っていました。この違和感は後にラヴが正体だったということで決着がつきますね。

愛は希望にはかなわない。愛ですべてを解決なんてできない。

たぶん愛は地球を救えない。

マルコとアルコの終着点

この作品での最大の焦点はタイトル通り、マルコと銀河竜であるアルコの関係がどのように集結するかでしょう。

マルコとアルコは、マルコが最も美味しくなった時にアルコがマルコを記憶まで骨ごと食らうという約束を交わしていました。

しかしこの約束は、互いに孤独になっていた者同士を結びつけ互いの仲をより深めるものになっていったのではないかと思います。故にアスタロトとの戦いにアルコが一人で立ち向かったり、アスタロトを倒したマルコを地球に戻す時に敢えて突き放すような態度を取らねばならなくなったりしたのだと思います。また、最後にマルコから銀河竜に関する記憶だけを食ったとのだと感じています。

アルコは一人ぼっちで居続ける道を選んだのかもしれません。しかしマルコは逆で、銀河竜を探しに銀河に旅に出ると言い出しますね。

「記憶が消えても気持ちは消えない」

一緒に過ごした記憶がなくとも、その思いは消せない。

本当の意味の宝物

この作品を通して最も印象に残ったことに触れてこの記事を終わりにします。

本当の宝物は、私達が人に生物に出会って感じた気持ちということなのだと思います。

心を持たず力のみを求めるということは孤独を求めることでもあり、力を得ればその力の強さの分だけ孤独になる。

そんなことを感じながらテンポのよいシナリオを楽しく読みつつプレイしました。

沙耶の唄 感想

冬なのに暑くなったり寒くなったりとでおかしいこの頃、ほんっと勘弁してくださいって感じですね。皆様今日も元気にお過ごしでしょうか?

今回はnitro+の代表作「沙耶の唄」をプレイしました。

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2003年に発売されたこの作品は、現在win10対応版が出ているのでこちらでプレイするのが良さそうですね。総プレイ時間も短く、あっという間に終わりますが、サスペンスホラーADVなだけあり過激な描写が多いです。CGに関してはグロテスク表現にぼかしを入れられますがテキストは容赦ないです。私ですか?ぼかしなしでやりました。

 概要・あらすじ

交通事故により脳に残った後遺症が原因で、現実世界の見え方、聞こえ方など五感が狂ってしまった主人公匂坂郁紀は、ある日病室で唯一人の姿に見える少女沙耶と出会う。その後2人は共に暮すようになり、郁紀は沙耶の父奥涯を探し、沙耶は郁紀が喜ぶもの・場所を作ろうとする。そんな2人の行き着く先は…

 

やっていけばわかりますが、手塚治虫火の鳥復活篇を思い起こさせる内容です。私は中学生時代に火の鳥を何度も読み返していたのですぐに思いつきましたが、クトゥルフ神話を思い出す方も多いようですね。こちらについては私全く知りませんでした。

とはいえ、どちらか一方を知っていれば作品の着地点がなんとなくでもわかるのかもしれませんね。さて、以下ネタバレ感想。

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郁紀の世界観はどう変わったか

交通事故で奇跡的に助かり作中では最先端の医療技術で生還した郁紀ですが、彼の五感はすっかり変わってしまっていました。

人が醜い肉塊に見え、喋り声は甲高いものに聞こえ、目に見える景色はめちゃくちゃで遠近感もつかめないほど。部屋中を色んな色のペンキでぬりたくらないと安心できない状態。後に遠近感や写真を見られるところまでは回復しますが見た目が変わらない。食感も変わってしまい人間が普通に食べるものが美味しく感じず、美味いと感じたのは人肉…とまあめちゃくちゃです。サスペンスホラーの名に恥じない設定ですね。

こうした世界の中で唯一まともに自分と同じ人間に見えたのが沙耶。沙耶が人外の存在だというのに気づくのに遅い方はいないと思います。

END① 病院へ

沙耶に元の生活を送れる自分に戻りたいかと問われた際に、戻りたいと選んで進むルート。

沙耶はもともと人外の生物で、液状のドロドロした何かなのだと思います。そんな彼女に備わっている能力が、生物の構造を変化させること(ただし事前の学習が必要)でした。郁紀との度重なるセックスにより入手した精子から得た情報とカルテから可能にしたことだと思います。

隣家の鈴見を郁紀と同じ状態にしたのと逆のことを行うだけで実際にあっという間に終わります。が、郁紀が現実の世界に戻ったその隣に沙耶はいませんでした。

このルート、郁紀がすぐに警察に電話して逮捕され病院へいくまでの流れがとにかく早い。そして精神病棟へ入れられたある日、ドア越しに沙耶と携帯を使ってやりとりをしている所だけを見ると、純愛かこれは!?と叫びたくなるから困る。

沙耶のかわいいままの自分の姿を覚えておいてほしいというのは乙女のそれですし、郁紀のあいしてるって言葉を伝えるときの演出といい。。。

END② 開花

元の状態に戻りたくないを選んだルートの終わり方その1。親友であった耕司を始末した直後に沙耶の背中から羽のようなものが出現し世界に散って世界が変わっていくお話。

沙耶の開花時のCGがとても綺麗ですばらしいです!とはいえ、世界は沙耶と郁紀にとって住みやすいものになっていったのかなと思います。街は汚れていきますし、人の形も変わっていく。最後は涼子の視点で綴られていますし、涼子自身の体にも変化が起きている模様。

END③ 耕司生存

元の状態に戻りたくないを選んだルートの終わり方その2。耕司のピンチに駆けつけた涼子の液体窒素により沙耶に致命傷を与えるも、郁紀の反撃で涼子は瀕死からの最後の一撃で沙耶を死に追いやります。沙耶を失った郁紀はその場で自殺。自殺のやり方がエグい。一方残されたのは耕司だけ。

彼だけが真実を知り、真実を知ったが故に生涯苦しむことになるというなんとも救われないルートでした。

しかし、このルートでは沙耶は死ぬ間際まで郁紀に寄り添おうとします。この作品は各ENDに共通する事象として、郁紀と沙耶の愛は本物だったということが挙げられるのではないかと思います。終わり方は違えど、最後まで郁紀も沙耶も互いを想い合っていたと感じます。

結局どういう作品だったのか?

この作品は自分には難しく理解に少々時間を要しました。何が言いたいのかはっきりわからないけど、真実に近づき過ぎてもいけなくて、かといって知りたいという欲求は抑えられないもの。また、一度壊れてしまった世界を修復するということの難しさ、虚しさ、愚かさといったようなことを感じました。

沙耶ってかわいいなって思ってかるい気持ちでやると爆死するんじゃないかなあって思います。

演出が凝っていて、登場人物の視点によって世界の見え方が全く違うことをよく表現していたとも感じました。難しい作品でしたが、こうして感想という形で自分の思ったことを言語化してみました。最後までお読み下りありがとうございました。

アインシュタインより愛を込めて 感想

ようやく冬本番?といったこの頃、皆さん体調を崩していないでしょうか?

私は体調崩すことなく今日も元気にエロゲライフです。今回は新ブランドGLOVETYの「アインシュタインより愛を込めて」をプレイしました。

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 概要、あらすじ

作品コンセプト:ひと夏のサイエンスラブストーリー

4章構成(序章、学園編、過去編、真相編)

オフィシャルサイトに上記のように書いてあります。頭脳明晰ながらも重度の彗星病に悩まされつつさらに退屈な毎日を送る主人公愛内周太は、有村ロミという少女から科学特捜部の創設を依頼されます。それが自身の彗星病の治療につながると信じて。

「街に明りを灯すんだ」

有村ロミはそう言って人との交流を持てと促します。それがどのように周太に影響を与えて行くかが本作の見所になると思います。

ところがこの作品、展開が急すぎて置いてけぼりになったり個別ルートが短くてヒロインとのイチャラブが足りなかったりします。ここで評価が別れているとも感じます。

しかし、この作品の本題はGRANDルートにあり、タイトル回収と伝えたいメッセージ含め全てが集約されていると感じました。なのでこれからプレイしてみようという方はとりあえず最後までがんばってください。切りの良いところで一度立ち止まって話の流れを整理しながらやるといいかもしれません。一気にやると混乱するので。。。

個人的テーマ:愛、目に見えない大切なモノ

私個人がプレイして感じたこの作品のテーマです。ここについては後から書くことにします(ネタバレを含みますので)。というわけで以下ネタバレ感想です。

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個別ルート

坂下唯々菜

一緒にいたいと思う相手

一目惚れした人という条件に当てはまっても文句のつけようがないくらいにかわいいヒロインだと思います。でも性格は控えめで普通。特徴もこれと言ってなく普通。成績も普通で恋愛も普通になるのかと思いきやそうはいかなかったですね。

坂下唯々菜という人間は本来は存在せず、その正体は彗星病によるオーバーロードでテレパシーの能力を得た界狩蛍という少女の発する思念が作り出したものでしたね。けれども蛍の中には唯々菜としての記憶はきちんと残っていたと。

作中では蛍としてテレパシー能力がオフになった状態で普通の生活に戻るも、周太のことを忘れておらず周太を取り返すために一人彗星機構へ立ち向かい以後周太と共に情報皆無は行方不明ということでいいんですかね。終わり方は嫌いじゃないです。

蛍の過去は想像を絶するものであり、精神的に壊れて自分を猫だと思いこんでしまうほどなわけですが、彗星機構でモーメントの戦闘指揮官(でいいよね?)の役目を与えられていました。このことを知っていると忍ルートで出てくるメシア(救世主)の意味がわかるので、忍よりも先に攻略しておきたいルートですね。

愛内周太への処置→眠らせる

個別ルートをやる上で忘れたくないのが主人公である周太がどのような状態へと持っていかれるかです。唯々菜ルートでは周太が蛍に能力のオンオフの使い方を教えたことで気絶している間に彗星機構が回収し、小笠原研究所に眠らせておいたのだと考えてます。

後になってから気づきましたが、周太が叔父の病院に昏睡状態の彗星病患者(唯々菜の本体)があることを聞きに行った時点で叔父の郷田が彗星機構の構成員という推測くらい立てておけばよかったなと思いました。行動が早すぎるので。

西野佳純

人を好きになるということ

成績最下位だけど運動神経バッチシ人脈広しな純情系女の子。ギャルっぽくみえてギャルじゃない感じでした。ボクシング地区予選敗退止まりを乗り越えるべく周太とともに過ごすわけですが、周太による徹底的な分析で勝ち筋は見えていたあたり、ライバルである南条との差は大きくなかったのでしょう。

佳純ルートで何よりも驚くのは、周太が彗星病克服のために受けた処置により知能が七歳程度まで低下したことだったと思います。記憶も曖昧で、恋人同士になった佳純のことも覚えていなくて。それでも、ロミに導かれて佳純を追いかけ、たくさん勉強して思い出すと言ったラストの下りは思わずジーンときてしまいまして。たとえ忘れてしまっても、それは一時的なものでどこかに眠り続けているのかもしれません。言葉では言い表せない思い、好きという感情はどこからともなくやってくるのでしょう。

愛内周太への処置→破壊する

ここでは周太が自発的に叔父のもとを訪れ処置をしてもらうことを望んでいます。彗星機構の人間である郷田はここで周太の魂を破壊し鯨の鍵を取り出します。その後の経過観察は完全に周太に脅威がないかの確認のため。問題がなくなったから外に出した。ただし管轄組織がアポロクライシスに変わった。外に出た周太は佳純と再会した。そんな風に感じたルートでした。

新田忍

無条件の愛

お隣さん、おっきな胸、世話焼き、年上とキャラとしてよいステータスを持つキャラでした。周太とはレストランの経営を改善していく中で進行を深め恋仲に。ところが忍の妊娠が発覚し、これで一波乱かと思いきや突然の彗星機構への連行。。。

しかも蒸発をよそおってこいだなんて酷な…おまけに彗星機構で従事させられたことは戦闘、いや戦争の最前線でアインシュタインというモーメントを使って戦えってことですよね。そしてここで戦闘指揮官としてメシアが出てきて唯々菜ルートとつながりますね。

彗星機構に連行されてから4年後に周太は開放されるわけですが、普通に考えてこれだけの期間経っていたら愛する家族からも忘れられて当然と考えるはず。なんで何も言わずに消えたのとか色々言われるはず。けれども、4年ぶりに再会した周太に忍は「おかえり」って言えるんですよね。ここはもう涙でしたね。アイこめ屈指の名場面と言えるでしょう。

愛内周太への処置→すり切らせる

忍ルートでは周太を積極的に前線に向かわせて精神をすり切らせて鯨の鍵を無効化させていたようです。とはいえ周太は「俺から奪って」というようなことを言っていたので鍵は取り出されていたかもしれないですね。モーメントの制御には魂が必要であるという設定はわかりますが、戦闘エフェクトには力を入れていないあたり見て欲しいのは戦闘シーンなのではなかったのかもしれません。(私は見たかったです)

にしても、彗星機構への連行は強引に入れ込まれた感じもあってあまり好きにはなれませんでした。

有村ロミ

話がGRANDルートに続くのでそちらで。パジャマ姿がかわいかったです!

GRANDルート

4章構成からなる物語に照らし合わせるのなら、PROLOGUが序章、MAIN(個別ルート)が学園編、GRANDに過去編と真相編が含まれるという構成になると思います。

過去編

周太の過去だけでなくロミの過去の一端にも触れる過去編。幼いころの周太の体験は辛く理不尽であり、性格もひねくれてしまうのはある意味自然なことだと思います。

父親を助けるためにロミ(茜)と共に小笠原諸島の生体研究所に行き爆発事故に遭遇して目があった何かがミコであり、その後郷田に追われて海に飛び込んだ際に鯨とつながり鍵を入手。以後、いつでも新世界への扉を開けるようになる。しかし父の死を目にして一時的に廃人状態になるも復活し…

過去編については事実確認ばかりにしかならないのでこの辺にします。

真相編

超展開が繰り返され、次々に伏線回収がなされていく章。順を追って整理していきます。

VS彗星機構

ロミルートのラストでミサイル迎撃のために肉体を燃やして力を使った周太でしたが、魂が鯨の中に一時退避できたため生きていましたね。で、そこから自宅のアインシュタインへ接続して現実世界での行動を開始。明らかに目立ちますね。

ロミが彗星機構から狙われているという情報を聞きつけてやってくるといよいよ彗星機構は街中でミサイルぶっぱなすという狂気に。オマケにギニアムの騎士とも一時共闘するしでめちゃくちゃだなと。戦闘中にメシアの正体をおぼろげながらも気づいた周太の問いかけは真に迫るものがあったと思います。自分の心に嘘をついて偽ってまでやることに意味はあるのかと。

鯨の中へ

彗星機構との戦闘中に指揮官の野上が突如離脱。しかも大慌て。鯨が突如起動したため原因を探るべく小笠原諸島へ向かうことになりますね。ヘリに乗る際、アインシュタインの姿でありながらも佳純達に声をかけられるシーンは少し熱かった!

で、鯨の中にロミと一緒に突入して鍵を開けた奴の正体は愛内周太(少年の姿)だったと。んで、扉を開くのをためらっていたのは、世界を差し出して真理を得られる確証がなかったからだと。しかしミサイル迎撃の際に鯨に同化したことでそれが確信に変わったので扉を開くためのプロセスを実行したと。

ここでは愛内周太とロミのやりとりがそのまんまプレイヤーへ向けたメッセージになっていると思います。

理不尽でどうでもいい、消えてしまいたいとさえ思えるような世界であっても、テレビのタレントのような存在であっても、いつの日かかけがえのない誰かに巡り会えるよと。

アインシュタインより愛を込めて

超展開はまだまだ続く。残った伏線とタイトル回収のために。ロミとのエッチシーンも入れなきゃならないとはいえ無理やりじゃないか()とは思いますが。

残った伏線は彗星機構のトップである巫女の正体になりますね。で、それを語るために叔父の郷田が出てきます。ここからの流れもなかなかに衝撃的でした。

巫女の正体は心を持った機械。プログラムされたことしかしないAIなんかとは違うもの。そして巫女の真の目的は周太の無力化。「死に意味はない」という台詞も重要で、死んでも魂が残っていれば意味がないからということなのでしょう。

ロミが郷田に言った

「あなたはいいですね。顔が好みのロボットに、全部、お任せできて」

という台詞からの

郷田がロミに発泡→ロミをかばう周太→周太をかばうアインシュタイン→巫女を倒す

流れは巫女の知らない死への恐れやアインシュタイン起動の理由を知ると胸が熱くなります!!

有村ロミルートについて

ロミはどのルートでも周太のために行動していて、どんだけ周太のこと好きなんだよって思うんですが、それもそのはず。周太こそがロミの心に明かりをともしてくれたのだから。

個別ルートで唯々菜、佳純、忍の3人を攻略しないと攻略できないようになっていましたが、GRANDまでの流れを見れば納得してしまうかと。ロミの台詞は一つ一つがプレイヤーへ向けたメッセージのようにもなると思いますので、2週目のプレイなんかやるとより面白くなりそうです。

 まとめ

発売前から期待の声が大きかったなあという作品でした。ところが蓋を開けて見るとメインヒロインなのに攻略にかけられる時間が短い、説明不足な点がある、あと一歩足りない、良くも悪くも新島夕作品など…という声を聞きました。

私もプレイし終わった時はえ?なんだったのこの作品?展開早くて置いてけぼりにされたぞって感じでした。

しかしこの感想を書くにあたって改めて話の流れを整理しつつ、要所要所で再プレイを繰り返す中でようやく全体像をつかめた感じです。

最初にも書いた通り、私の中でのこの作品におけるテーマは愛、目に見えない大切なモノです。目には見えないけど大切なモノがあって、それはなんだろう?と問いかけて来るかのようでした。愛に至っては単に好きな誰かを愛するだけかと思ったのですが、それが原点にして人の原動力な気がしました。人を好きになること、愛するということ、それが人を動かしていく。誰かを好きになるのを怖がらないでほしいと。

巫女がアインシュタインに敗れるという結果は、機械に人類の行く末を委ねることはしないというのもあるのでしょうが、生きとし生けるもの全てに死はやってくるということなのかなと。心を持ったその瞬間から生と死が始まるのかな?

 

楽曲はレベルが高く主題歌の新世界のαは通常版もmale ver.も好きです。

 

この作品はメッセージがたくさん込められていて、それを知った時に面白い!となるのだと思います。作者の意図や構成はどうなっているかを意識しないと置いていかれがちになる点はもったいなかったですが、声優さん含め豪華キャストで作られていて素晴らしかったです。思いのたくさんこもった作品をありがとう!

ハミダシクリエイティブ 感想

すっかり寒くなってきましたね(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

元気にしてますか?寒さに負けず今日もエロゲに邁進していきましょう!

挨拶はこのくらいにして、今回はまどそふとさんの「ハミダシクリエイティブ」の感想です。

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©まどそふと

 概要・あらすじ

不登校×クリエイティブ×ハミダシ

登場するメインヒロインは全員が不登校な上にどこかの部分で世間からはみだしているのだけど、誰にも負けない特技を持っている。そんな一癖も二癖もあるヒロインたちとの賑やかな学園ラブコメを描いたのがハミダシクリエイティブという作品であると感じています。

ヒロインの特技も、声優、イラストレーター、Vtuber、小説家と今の時代に人気なものを使っており、とっつきやすくなっていると思います。

主人公は6月の末に突然くじ引きで生徒会長に抜擢され、不登校な生徒であるヒロインたちを集めて生徒会を運営していくわけですが、くじ引きの原因を作った前生徒会長まで現れてドタバタな日々に巻き込まれていくといえば良いでしょうか。

共通ルートはシナリオのテンポがよくとても楽しく進んでいきます。

主人公の部屋にはワガママハイスペックタペストリーとポスターがかざってあり、同じ生徒会を舞台にしているだけに親近感がわきますね!

それでは個別ルートの感想に移りたいと思います。未プレイの方はここまでで。

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個別ルート感想

錦あすみルート

クリエイティブ要素:Vtuber

主人公大好きっ子というか、あまりにも素直過ぎてかわいい。共通ルートのボランティアで泊まった旅館のお風呂での奉仕がマジでヤバイ。あんなに尽くされたら落ちる。

親の影響もあり音楽の才能に恵まれているあすみでしたが過去の失敗がトラウマになり外に出られない状態になっていたと思います。しかし主人公と出会い生徒会という外の世界に触れていく中で徐々に引きこもりから回復していった模様。

私はVtuberの世界には詳しくないので事務所に所属するとどうなるかというのは物語を見た中でしか知りえませんが、何にせよ全ていい事ずくめとはいかないようですね。鳴門さんのような失敗をする人は早々お目にかからないと思いますが、集団に所属する以上は責任や約束事がのしかかってきますし、失敗したら謝罪もしなければなりませんね。あすみが事務所に所属することでこうした問題に立ち向かえるのか?と最初は心配していましたが、その必要はなかった様子でした。

文化祭でのライブと事務所のイベントの同時配信は演出も見事に決まっていて、「外の世界へ一歩踏み出してみて!」という思いがあすみの優しい声を通して伝わってきました。一歩踏み出すのには勇気がいるけれども、多かれ少なかれその一歩は確実に自分にとって益となり積み重なっていくものであると思いますから、私も一歩踏み出す勇気を常に忘れないようにしたいと思いました。

あすみルートで物足りなかった点は両親との絡みがほとんどなかった所でした。ワガママハイスペックで何度もやったからなのかなあと思いましが、今作のヒロインには両親の影が薄い娘ばかりなので1人くらいしっかり入れてくれてもよかったよなと。

鎌倉詩桜ルート

クリエイティブ要素:小説家

デレるとかわいくなる系だと思っていました。

全ての元凶を作った詩桜でしたが、その真実が妃愛のためにマネージャーとミリセンセーが話を持ちかけたのが発端だったという驚愕の事実が出てきました。また、公私をはっきり使い分け甘い時と厳しい時をそれぞれ使い分けられる詩桜の器用さにも驚きました。

みかん喫茶に愛媛旅行に交通事故にと、ほんと次から次へと話のネタが供給されてくるので、終始楽しくプレイできました。しかし、ここでは詩桜の小説家としての本領はあまり発揮されておらず、妃愛ルートで出番を回してくるのだなと感じました。

そんな詩桜ですが、個人的には三浦大根ネタでずっと頭に残りそうです。いやほんとに。まー免許とっていきなり外車買って旅行にいくとかエピソードを上げれば上げるだけ濃いキャラになっていたとも感じています。料理もできて美人なので性格にさえついていければ詩桜との共同生活は楽しいことしかないのでは?とも思います。

詩桜ルートのテーマを個人的に勝手に解釈するなら、「自分の意志は自分で決めて実行せよ」ということなのかなと考えています。実際詩桜は自分の行動原理がはっきりしているので、彼女の行動や言動は一見めちゃくちゃなように見えてちゃんと筋が通っているのではないかと思いました。

常磐華乃ルート

クリエイティブ要素:イラストレータ

詩桜を遥かにこえる甘えっぷりで、というか全ヒロインの中では一番甘えまくっていたと思います。華乃はものすごく乙女で一直線な印象があり、告白にもシチュエーションにこだわりを持っていました。自分の思い通りにならないとすねてしまいますが、それも愛情の裏返しなのか見ていて可愛らしくなってしまって。華乃ルートをやると華乃が好きになると思うんですよ!

そんな可愛い側面の一方、イラストレーターとしてのプロ意識は大変高く、コミまどだろうが仕事だろうが生徒会だろうが全て同じ。最後まで責任を持ってやり抜く姿勢は見習いたいものですね。

華乃は過去の経験から自分を卑下してしまう場面や心無い言葉を浴びせられるという場面もありましたが、これって私達が現実の世界でも経験する可能性があるんですよね。そんな時にどう切り抜けるのか。華乃の行動からそこの部分をどう捉えたかを考えるのも面白いなと思います。今の私は耐える所は耐えて言うべきところは言うという構えですがはてさて。

和泉妃愛ルート

クリエイティブ要素:声優

ツイートにも書いた通り第一印象では一番好きなキャラだったのが妃愛。お兄ちゃん大好き過ぎにもほどがないか?と言わんばかりです。とはいえ、ワガママハイスペックの鳴海兎亜以来の実妹攻略がどのようなものになるかを期待して、攻略を最後に回しました。

で、実際にプレイして率直に思ったのが、個別ルートに入ってから話が重たいという感覚でした。ツブヤッキー裏垢騒動はともかく、直後の雑誌手渡しイベントでの出来事はまどそふとさんにしてはキツイのぶっこんできてない?って思ってしまいました。

とはいえ裏垢騒動で布石をうち、誕生日のイベント事件で突き落としてからの妃愛の本音聞き出しからの指輪渡しの流れは悪いとは思っていなくて、これだけやらないといけなかったのかと思ったりで少々複雑でした。

しかし、文化祭の朗読劇は思わず涙がこみ上げてくるほどに引き込まれるものがあり、これまで感じていたモヤモヤを一気に晴らしてくれるだけのものに仕上がっていたと感じています。妹の兄への一途な思いと謝罪と、本当に素晴らしい朗読劇でした。

指輪を渡しただけでなく、エピローグでドレスまで着せてしまうあたり終盤は恋に落ちた兄妹の幸せの絶頂を描いているのかなと。

総合評価

天梨ルートが欲しかったです

ほんとこれ。なんで攻略できないのこの子!まあ、天梨は不登校じゃないしテーマから外れるからどのみち用意されなかったのだろうけど…でも読モやってるしFDではチャンスありありですよね!?かいちょーへの好き好きアピールもかわいいし、いい身体してますし。

Twitterを見ていてもなぜ攻略できないのという声が多かった印象です。

まどそふとらしさとは?

まどそふとさんの作品って3作しかやったことないのですが、個人的には、個性豊かなヒロイン・サブキャラとのドタバタラブコメだと思っています。話の緩急をつける都合で時にはシリアスな場面が入ってくるなあとは感じています。公式サイトにはこれまでのまどそふとらしさを強調しつつという言葉が入っていたので、どんなものだっただろうかと少し気になって考えてみました。

まとめ

共通ルートがテンポよく進み楽しくプレイできるので導入部分は完璧だと思いました。おまけシナリオもただ単にエッチをするのではなく、エピローグからのアフターなシナリオも追加されておりボリューム満点感が出ていたと思います。

個別ルートはそれぞれに与えられたテーマがはっきりしていたと思うので、この点は今後も崩さずにいってもらえると嬉しいなと思いました。

プレイしていて楽したかったです!

ニュートンと林檎の樹 感想

最近急に寒くなりましたね。いよいよ秋ってもう10月終わるやん!

んーまあそれはさておき、今回はLaplacianの第2作目であるニュートンと林檎の樹の感想となります。

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 初見の方への作品紹介

どんな話なの?

一言でいうと、2017年から1687年へタイムスリップしたことでニュートン万有引力の法則を発見するきっかけを奪ってしまったから史実を正しい方向に直そうという物語です。

科学の知識っているの?

特には要りません。必要なことは登場キャラがすべて喋ってくれますし、用語集もついていていつでも見れるので親切設計だと思います。でも、科学の知識があるとより楽しめることは間違いないでしょうね!

そもそも万有引力の法則ってなんだっけ?

宇宙に存在するものは全てが互いに引き合う力(引力)を持っているという法則。

なんですけど、ここで止まっていてはいけないようで、ニュートンはこれを数学を使って証明してみせました。微分積分も活躍したそうで、万有引力の法則がなければロケットを飛ばすことも不可能だったとか。私自身科学に疎いので簡単にしかかけませんがお許しを><

見どころは?

ニュートン万有引力の法則を書いた本プリンキピアが発行されるまでの流れにあると思います。主人公の修二とヒロイン四五がタイムスリップした1687年で何を想い何を感じ、どのような決断をくだしていくのかを堪能したいですね。それと原作者による原作レイプの悪ノリ。とっても楽しいのでここまでやりましょう。

 

公式サイト→こちら

 

↓既プレイ方向け感想は下へ↓

 

 

 

 

既プレイ方向け、プレイ後感想

四五ルート

修一郎の犠牲(?)と引き換えに戻ってきた時代が2017年ではなく2046年というラストも衝撃的でしたが、感情の起伏が乏しいキャラが感情豊かになっていくのは何度みても嬉しいものです。

専用ムービーでは万有引力の法則の数式(F=GMm/r2の解説もしてくれましたが、覚えられませんでした。しかし、四五の立ち位置も重要だと考えていて、彼女の豊富な知識や理性的な考え方は修二を多くの場面で間違いから遠ざけ、プレイヤーにも専門用語の解説という役目を果たしていたと思うのです。

ラビルート

タイムマシンを下手に使ったらどうなるかを教えてくれたキャラだったなあとも。

母親を助けられたラビと助けられなかったラビは同一人物でありながら同一人物ではないという感覚で物語を見ていました。

なぜ、僕と同じ容姿をしている…?

それは遺伝子が同じだからだよ。塩基配列パターン…

おっとっと、関係ないお話へ行きかけました。

タイムマシンのリスクを見せるのが最大のポイントだったのでしょうが、ツイートにもある通りラビの強烈な個性がこのルートを面白くしています。どう面白いかといえば、暴走機関車なラビが不意に見せる妖艶さや「ニヒ」という可愛らしい笑顔につい目がいってしまうところでしょうか。

おまけシナリオはどう考えてもやりすぎだと思いました(笑)

春ルート

フックの失脚とアリスと春の行き違いまででも十分に楽しめる内容だったので、春のルートはわりと平和なものになると予想していました。

年上のお姉さんにはたいして萌えないのですが、春の場合はちょっと違って萌えまくってました!かわいい春ちゃんバンザイ٩(๑´3`๑)۶

男を落とすツボを抑えてます彼女は

エミールート

春同様に1687年に残る決意をするルート。アリスとの関係修復がしれーっと気づかないうちに行われていた感じで、ここのところをアリスルートとは違う形で少しでも描いてくれたらなあと思っていました。

専用ムービーの芋にかかれている顔を見てあっ(察し)

エミーで印象的なのは、他ヒロインのニャンニャンシーンに出くわした時に精神崩壊するシーンでした!

アリスルート

ニュートンと林檎の樹の本番、そして物語で一番描きたかったことなのだと思います。

アリスと心を通わせ両想いになりながらも、万有引力の発見とプリンキピアの発行を見届けた以上はもとの時代に帰らねばならぬ状況。泣けますねえ。

ラストに修一郎が図書館で見せてくれた秘蔵資料でアリス達の努力が密かに伝えられてきていたという部分で涙がこみ上げてきました!

 

全体を通して

ニュートンが小さな美少女のペンネームだった!という驚きの出発から何も知識がなくても楽しめるよい作品にしあがっていたと思います。

潮の満ち引きの関係は物語中にも出てきますが、実際にいくつかサイトしらべるとそうした関係も出てきました。万有引力の法則がどれだけの貢献をしたのか浅学な自分には実感が少ないのですが、ロケットが飛ばないとかGPSとか使えないと言われたらそりゃやっべーなと思うわけです。

今では女性が教授職につくのも珍しくないですが、作中では女性というだけで論文が会報誌に取り上げられないなど何かと男女格差も強く描かれています。そうした時代背景を見ながら、今の時代はまだまだ改善の余地はあれど昔に比べればマシになったものだなと思うのです。

また、いつの時代になっても人が誰かを想う強さに変わりなどないのでしょう。好きになってしまえばもう一直線。そんなことを考えながらの振り返りでした。

 

更新は月1ペースになるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします!