にこつきの美少女ゲー日記

美少女ゲームの感想やグッズ、情報について綴るブログ

アインシュタインより愛を込めて 感想

ようやく冬本番?といったこの頃、皆さん体調を崩していないでしょうか?

私は体調崩すことなく今日も元気にエロゲライフです。今回は新ブランドGLOVETYの「アインシュタインより愛を込めて」をプレイしました。

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 概要、あらすじ

作品コンセプト:ひと夏のサイエンスラブストーリー

4章構成(序章、学園編、過去編、真相編)

オフィシャルサイトに上記のように書いてあります。頭脳明晰ながらも重度の彗星病に悩まされつつさらに退屈な毎日を送る主人公愛内周太は、有村ロミという少女から科学特捜部の創設を依頼されます。それが自身の彗星病の治療につながると信じて。

「街に明りを灯すんだ」

有村ロミはそう言って人との交流を持てと促します。それがどのように周太に影響を与えて行くかが本作の見所になると思います。

ところがこの作品、展開が急すぎて置いてけぼりになったり個別ルートが短くてヒロインとのイチャラブが足りなかったりします。ここで評価が別れているとも感じます。

しかし、この作品の本題はGRANDルートにあり、タイトル回収と伝えたいメッセージ含め全てが集約されていると感じました。なのでこれからプレイしてみようという方はとりあえず最後までがんばってください。切りの良いところで一度立ち止まって話の流れを整理しながらやるといいかもしれません。一気にやると混乱するので。。。

個人的テーマ:愛、目に見えない大切なモノ

私個人がプレイして感じたこの作品のテーマです。ここについては後から書くことにします(ネタバレを含みますので)。というわけで以下ネタバレ感想です。

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個別ルート

坂下唯々菜

一緒にいたいと思う相手

一目惚れした人という条件に当てはまっても文句のつけようがないくらいにかわいいヒロインだと思います。でも性格は控えめで普通。特徴もこれと言ってなく普通。成績も普通で恋愛も普通になるのかと思いきやそうはいかなかったですね。

坂下唯々菜という人間は本来は存在せず、その正体は彗星病によるオーバーロードでテレパシーの能力を得た界狩蛍という少女の発する思念が作り出したものでしたね。けれども蛍の中には唯々菜としての記憶はきちんと残っていたと。

作中では蛍としてテレパシー能力がオフになった状態で普通の生活に戻るも、周太のことを忘れておらず周太を取り返すために一人彗星機構へ立ち向かい以後周太と共に情報皆無は行方不明ということでいいんですかね。終わり方は嫌いじゃないです。

蛍の過去は想像を絶するものであり、精神的に壊れて自分を猫だと思いこんでしまうほどなわけですが、彗星機構でモーメントの戦闘指揮官(でいいよね?)の役目を与えられていました。このことを知っていると忍ルートで出てくるメシア(救世主)の意味がわかるので、忍よりも先に攻略しておきたいルートですね。

愛内周太への処置→眠らせる

個別ルートをやる上で忘れたくないのが主人公である周太がどのような状態へと持っていかれるかです。唯々菜ルートでは周太が蛍に能力のオンオフの使い方を教えたことで気絶している間に彗星機構が回収し、小笠原研究所に眠らせておいたのだと考えてます。

後になってから気づきましたが、周太が叔父の病院に昏睡状態の彗星病患者(唯々菜の本体)があることを聞きに行った時点で叔父の郷田が彗星機構の構成員という推測くらい立てておけばよかったなと思いました。行動が早すぎるので。

西野佳純

人を好きになるということ

成績最下位だけど運動神経バッチシ人脈広しな純情系女の子。ギャルっぽくみえてギャルじゃない感じでした。ボクシング地区予選敗退止まりを乗り越えるべく周太とともに過ごすわけですが、周太による徹底的な分析で勝ち筋は見えていたあたり、ライバルである南条との差は大きくなかったのでしょう。

佳純ルートで何よりも驚くのは、周太が彗星病克服のために受けた処置により知能が七歳程度まで低下したことだったと思います。記憶も曖昧で、恋人同士になった佳純のことも覚えていなくて。それでも、ロミに導かれて佳純を追いかけ、たくさん勉強して思い出すと言ったラストの下りは思わずジーンときてしまいまして。たとえ忘れてしまっても、それは一時的なものでどこかに眠り続けているのかもしれません。言葉では言い表せない思い、好きという感情はどこからともなくやってくるのでしょう。

愛内周太への処置→破壊する

ここでは周太が自発的に叔父のもとを訪れ処置をしてもらうことを望んでいます。彗星機構の人間である郷田はここで周太の魂を破壊し鯨の鍵を取り出します。その後の経過観察は完全に周太に脅威がないかの確認のため。問題がなくなったから外に出した。ただし管轄組織がアポロクライシスに変わった。外に出た周太は佳純と再会した。そんな風に感じたルートでした。

新田忍

無条件の愛

お隣さん、おっきな胸、世話焼き、年上とキャラとしてよいステータスを持つキャラでした。周太とはレストランの経営を改善していく中で進行を深め恋仲に。ところが忍の妊娠が発覚し、これで一波乱かと思いきや突然の彗星機構への連行。。。

しかも蒸発をよそおってこいだなんて酷な…おまけに彗星機構で従事させられたことは戦闘、いや戦争の最前線でアインシュタインというモーメントを使って戦えってことですよね。そしてここで戦闘指揮官としてメシアが出てきて唯々菜ルートとつながりますね。

彗星機構に連行されてから4年後に周太は開放されるわけですが、普通に考えてこれだけの期間経っていたら愛する家族からも忘れられて当然と考えるはず。なんで何も言わずに消えたのとか色々言われるはず。けれども、4年ぶりに再会した周太に忍は「おかえり」って言えるんですよね。ここはもう涙でしたね。アイこめ屈指の名場面と言えるでしょう。

愛内周太への処置→すり切らせる

忍ルートでは周太を積極的に前線に向かわせて精神をすり切らせて鯨の鍵を無効化させていたようです。とはいえ周太は「俺から奪って」というようなことを言っていたので鍵は取り出されていたかもしれないですね。モーメントの制御には魂が必要であるという設定はわかりますが、戦闘エフェクトには力を入れていないあたり見て欲しいのは戦闘シーンなのではなかったのかもしれません。(私は見たかったです)

にしても、彗星機構への連行は強引に入れ込まれた感じもあってあまり好きにはなれませんでした。

有村ロミ

話がGRANDルートに続くのでそちらで。パジャマ姿がかわいかったです!

GRANDルート

4章構成からなる物語に照らし合わせるのなら、PROLOGUが序章、MAIN(個別ルート)が学園編、GRANDに過去編と真相編が含まれるという構成になると思います。

過去編

周太の過去だけでなくロミの過去の一端にも触れる過去編。幼いころの周太の体験は辛く理不尽であり、性格もひねくれてしまうのはある意味自然なことだと思います。

父親を助けるためにロミ(茜)と共に小笠原諸島の生体研究所に行き爆発事故に遭遇して目があった何かがミコであり、その後郷田に追われて海に飛び込んだ際に鯨とつながり鍵を入手。以後、いつでも新世界への扉を開けるようになる。しかし父の死を目にして一時的に廃人状態になるも復活し…

過去編については事実確認ばかりにしかならないのでこの辺にします。

真相編

超展開が繰り返され、次々に伏線回収がなされていく章。順を追って整理していきます。

VS彗星機構

ロミルートのラストでミサイル迎撃のために肉体を燃やして力を使った周太でしたが、魂が鯨の中に一時退避できたため生きていましたね。で、そこから自宅のアインシュタインへ接続して現実世界での行動を開始。明らかに目立ちますね。

ロミが彗星機構から狙われているという情報を聞きつけてやってくるといよいよ彗星機構は街中でミサイルぶっぱなすという狂気に。オマケにギニアムの騎士とも一時共闘するしでめちゃくちゃだなと。戦闘中にメシアの正体をおぼろげながらも気づいた周太の問いかけは真に迫るものがあったと思います。自分の心に嘘をついて偽ってまでやることに意味はあるのかと。

鯨の中へ

彗星機構との戦闘中に指揮官の野上が突如離脱。しかも大慌て。鯨が突如起動したため原因を探るべく小笠原諸島へ向かうことになりますね。ヘリに乗る際、アインシュタインの姿でありながらも佳純達に声をかけられるシーンは少し熱かった!

で、鯨の中にロミと一緒に突入して鍵を開けた奴の正体は愛内周太(少年の姿)だったと。んで、扉を開くのをためらっていたのは、世界を差し出して真理を得られる確証がなかったからだと。しかしミサイル迎撃の際に鯨に同化したことでそれが確信に変わったので扉を開くためのプロセスを実行したと。

ここでは愛内周太とロミのやりとりがそのまんまプレイヤーへ向けたメッセージになっていると思います。

理不尽でどうでもいい、消えてしまいたいとさえ思えるような世界であっても、テレビのタレントのような存在であっても、いつの日かかけがえのない誰かに巡り会えるよと。

アインシュタインより愛を込めて

超展開はまだまだ続く。残った伏線とタイトル回収のために。ロミとのエッチシーンも入れなきゃならないとはいえ無理やりじゃないか()とは思いますが。

残った伏線は彗星機構のトップである巫女の正体になりますね。で、それを語るために叔父の郷田が出てきます。ここからの流れもなかなかに衝撃的でした。

巫女の正体は心を持った機械。プログラムされたことしかしないAIなんかとは違うもの。そして巫女の真の目的は周太の無力化。「死に意味はない」という台詞も重要で、死んでも魂が残っていれば意味がないからということなのでしょう。

ロミが郷田に言った

「あなたはいいですね。顔が好みのロボットに、全部、お任せできて」

という台詞からの

郷田がロミに発泡→ロミをかばう周太→周太をかばうアインシュタイン→巫女を倒す

流れは巫女の知らない死への恐れやアインシュタイン起動の理由を知ると胸が熱くなります!!

有村ロミルートについて

ロミはどのルートでも周太のために行動していて、どんだけ周太のこと好きなんだよって思うんですが、それもそのはず。周太こそがロミの心に明かりをともしてくれたのだから。

個別ルートで唯々菜、佳純、忍の3人を攻略しないと攻略できないようになっていましたが、GRANDまでの流れを見れば納得してしまうかと。ロミの台詞は一つ一つがプレイヤーへ向けたメッセージのようにもなると思いますので、2週目のプレイなんかやるとより面白くなりそうです。

 まとめ

発売前から期待の声が大きかったなあという作品でした。ところが蓋を開けて見るとメインヒロインなのに攻略にかけられる時間が短い、説明不足な点がある、あと一歩足りない、良くも悪くも新島夕作品など…という声を聞きました。

私もプレイし終わった時はえ?なんだったのこの作品?展開早くて置いてけぼりにされたぞって感じでした。

しかしこの感想を書くにあたって改めて話の流れを整理しつつ、要所要所で再プレイを繰り返す中でようやく全体像をつかめた感じです。

最初にも書いた通り、私の中でのこの作品におけるテーマは愛、目に見えない大切なモノです。目には見えないけど大切なモノがあって、それはなんだろう?と問いかけて来るかのようでした。愛に至っては単に好きな誰かを愛するだけかと思ったのですが、それが原点にして人の原動力な気がしました。人を好きになること、愛するということ、それが人を動かしていく。誰かを好きになるのを怖がらないでほしいと。

巫女がアインシュタインに敗れるという結果は、機械に人類の行く末を委ねることはしないというのもあるのでしょうが、生きとし生けるもの全てに死はやってくるということなのかなと。心を持ったその瞬間から生と死が始まるのかな?

 

楽曲はレベルが高く主題歌の新世界のαは通常版もmale ver.も好きです。

 

この作品はメッセージがたくさん込められていて、それを知った時に面白い!となるのだと思います。作者の意図や構成はどうなっているかを意識しないと置いていかれがちになる点はもったいなかったですが、声優さん含め豪華キャストで作られていて素晴らしかったです。思いのたくさんこもった作品をありがとう!