さくら、もゆ。as the Night's reincarnation 感想
はい、今回はFavoriteのさくら、もゆ。の感想です。
いやあ、久しぶりになが～～～いシナリオゲームをやりましたって感じです。1ヶ月くらいかけていたような感覚ですねえ。
とはいえ、シナリオの中身は壮大な仕掛けとメッセージに満ちており、考察しようとするとさらに時間がかかるので、本記事では考察は基本的にしません。感想のみを綴ります。
あと、長くなりすぎないように書きますね。
元魔法少女ヒロインについて
杏籐千和
第一印象はちっこいツンデレ。大雅がいじりたくなるのも分かります。個別ルートに入ると途端に話が重くなりました。本当の両親がやっていたことはクロルートで全て紐解かれるので、そこを考えると千和だけが被害者ともいえず個人的にはなんともです。といってもやってることはヒトデナシですけど。
千和のルートでは家族の形もテーマの一つなのかと思いつつも、根本には「私は何のために生まれてきたのか？」というアイデンティティを問うものが含まれているように感じました。
千和は自分という存在がソルを死に追いやったと悔やみ苦悩しますが、人には誰しも別れがくるものですし、それを乗り越えなくてはならないと思うのです。千和ルートは大雅が千和との幸せを望む未来であり千和が大雅との未来を望むお話でもあり、結果としては家族も持てて幸せになれたのではないかと思います。
夜月姫織
第一印象は食いしん坊娘。でもってヤキモチ焼き。焼き方がかわいい笑 巫女服で勝負しにきた時がGOOD！
千和ルートの時点でみんな重たい過去があるんだなあと分かりましたが姫織もまさにそれ。入れ替わった妹はいずこに…
テーマは「おわかれ」といっていいのでしょうか。千和にもちょっこり引っかかりますが、十夜と女の子のお話が前振りとして機能していたこともあり、どんな人生にも出会いと別れがあり全てはそれの繰り返しなのだと改めて思いました。
もう一つのテーマは「後悔」なのかもしれません。
自分がいたからお母さんは、妹は、という誰もが抱く後悔。しかしそれに足を引っ張られてばかりではいけないのです。
こう言われても素直にそうだと考え直すのは難しいですが、私としてはこういう風に言ってもらえるだけでも心が軽くなります。
最後の最後にナナちゃんのことを知って涙を流すルートでした。
柊ハル
第一印象はおっぱい大きい女の子。あ、もちろんそれだけじゃないです。魔法少女に戻してくださいだなんていきなり何なんだ？という爆弾発言を投下してきた女の子でもありました。
ハルは容姿が目立つのもあって何を着てもかわいいんですよね。大雅のことが好きですが、その想いの強さが他ヒロインと少し違っていたのが気になっていました。個別ルートで納得しました。
ハルルートのテーマ「時を超える愛」とかっこよく言えるのかなと。智仁とあず咲の恋を最初に持ってきて未来への物語を暗示させる所から、ハルにも未来が影響してくるわけですね。
もう少し噛み砕いていけば、「人が人を想う気持ちは時を越えて語り継がれていく」みたいな？
それが形になっていたのが智仁が作った歌「さくら、もゆ。」なんですね。この曲が流れてくると泣いてばかりでした。
クロルート＋ましろ
ヒロイン3人で残した伏線を全て回収し、作品を通して伝えたい内容を畳み掛ける本筋という印象を持ちました。
ここにきてようやく登場するのがましろですね。
個人的に本作品における一番大好きなキャラクターです。容姿といい声がタイプです。（クロと声優さんが同じでびつくりしました）
クロルートの前半で明かされる”夜”のなりたちと、奏大雅の生誕話は驚きの連続であると同時に時間軸に関する考察がこんがらがっていくのを感じました。
要は本物の奏大雅と元魔法少女たちと関わってきた奏大雅は別人だったと覚えておけばとりあえず物語にはついていけたので、必要最低限は整理できるように説明はきちんとされていたのではないかと思いました。
大雅を名乗る少年は最終的には奏大雅に夜の王から救われ、自分自身の人生を生きていくようになりますね。ここが一番大切なところなのかなと。クロと一緒に生きていくための願いを叶えるために払う代償の大きさにはひたすら驚きましたし、クロの大雅を想う心の強さにも涙でした。エピローグ万歳(/･ω･)/
常に何かしらの代償を求める"夜”を見ていると、某錬金術師の等価交換の法則を思い出します。
全体を通して伝わってきたこと
これは、あなたのための物語。
人生辛いことや悲しいこと、うまく行かないこともあるけどそれら全てをひっくるめて、全部が輝くあなただけのものなのだとそう教えてもらえた気がします。
そして、どんな人生にも希望はあって、どんな運命が待ち受けようともどんと構えてろっていう風に受け取りました。
文章量こそ多く、何度かくじけかけましたが、どでかい仕掛けの前振りなのはわかっていたので完走までこぎつけてられました。
文章量以外は文句ありません。この作品に出会えて良かったと思えるレベルでした！ありがとう！
それではこの辺で。最後までお読みくださりありがとうございました。
