夏の終わりのニルヴァーナ 感想
最初の記事がこの作品になるのも何かの縁なのでしょうか?
《記事の流れ》
- 自己紹介
- 夏の終わりのニルヴァーナとは?
- ヒロインルート別の感想(美羽夜、那由、玲亜・ノノ、久遠)
- まとめ
自己紹介
はじめまして。にこつきです。毎日ポケモンばかりやっているのですが、時々別のゲームもやります。ポケモンについてはこちらのブログ「にこつき島」へどうぞ。このブログではポケモン以外のゲームについての感想を投稿していきます。拙い感想がどなたかの心に少しでも響いたのならそれだけで満足です。ふつーのゲームからエロゲまで、色々プレイしていきたいと思います。
夏の終わりのニルヴァーナとは?
この作品から感じたことは、「人は誰もが罪を背負いながら生きている」ということでした。罪を背負った少年少女が自らの罪と向き合い、罪を背負いながらも生きていく決心をする物語。
「自分には生きている意味があるのか?」
という問いを抱いたことがないという人はいないのではないでしょうか。
私も過去に同じ問いを自らに投げかけました。でも、その当時は答えがでませんでした。しかし、この作品を通じて自分には生きている意味があるのだと心から思えるようになりました。
ニルヴァーナ(nirvana)とは涅槃のこと。夏の終わりの涅槃ってどういう意味なんでしょうね。
プレイしていると涙がぼろぼろでてきますので、ハンカチのご準備を。
ヒロインルート別の感想
各ヒロインのルートでの感想になります。未プレイもしくはこれからプレイする方はネタバレにもなりますので読むのを避けたほうが良いと思います。プレイ後に、このブログの存在を覚えていた際に読みに来てくださればうれしいです。
美羽夜ルート
自らを呪われた存在と称し、何度も自殺を試みる少女。初登場シーンが飛び降りっていうのには驚きましたね・・・
彼女の罪は「愛を否定したこと」なのかなあと振り返りました。
自分が生まれる時に母が死に、自分の不注意で父が死ぬ原因をつくりだしてしまう。周りからは呪われた子だと言われ、自分の存在意義はなく、関わる人を死に至らしめるとして自らの存在を消そうとした。
しかし、彼女は「自分を愛してくれる人の思い」から目をそらしていた。
例えどれだけ周りから否定されても、自分のことを愛してくれる存在がいることに目を向けていなかった。
私たちの生活の中でも、「自分さえいなければ、あんなことにはならなかったのに」と思うことがあると思います。自分のミスで取り返しのつかない事態を招いてしまうこともあります。でも、どれだけ大きな過ちを犯しても、自分のことを愛してくれる存在が必ずいてくれるのではないかと思いました。どこにいるかは知りませんけど、どこかにいるのです。
那由ルート
明るく自由奔放な姿の裏に潜む辛い現実。生まれつき体が弱く、余命半年と宣告され普通の人にできることが全くできなかった少女。
那由は他人と同じペースで走らなくてはならないと考えていたのでしょう。
だから、病弱で何もできない自分が、親の苦しみを取り除いてあげられない自分に絶望したのではないかと。
人それぞれ走るペースは違っている。だから、他人と同じペースで走らなくてもいいじゃないか。それでいいんだと思います。
このことに気付いたからこそ此岸に戻る決心ができたわけで、彼女が言った「生きたい」という台詞には心が揺さぶられました。
自分と他人を比較するのではなく、今の自分にできることを精一杯やる。つい忘れてしまいがちですね。
ところで、那由が業にとらわれて町を破壊する際に、美羽夜と玲亜の2人も苦しんでいましたが、この理由は2人が生き返られるのに此岸に戻ろうとしないからだったのでしょうか。
玲亜・ノノルート
ツンデレお嬢様と、唯一漢字表記の名前がないヒロインのルートでした。
ノノにはプレイ当初から名前や言動に違和感を覚えていたのですが、まさか犬だったとは・・・(どうして気付かなかったんだろう)
人には善い部分と醜い部分があり、理解する際には両方の部分を見なくてはなりません。それはつまり、誰にでも善い部分と醜い部分があるということなわけで、醜い部分だけに目を向け何かもを拒絶し、自身の願いを他人に押し付けた玲亜は、ノノの言うとおり、かわいそうな人なのでしょう。
普段生活する中で、私たちは人の善い部分と醜い部分をきちんと見ようとしているでしょうか。なかなかできないことだと思います。一方だけを見て判断しがちなことが多いのでは。
しかし、善い部分と醜い部分の両方を見てはじめて人間の素晴らしさや美しさに気づくことができるのだと。
久遠ルート
久遠は一番のお気に入り。すごーく好み。なのでHシーンも久遠が一番です。
3次元で久遠のような女の子見かけたら紹介してください。
4人のヒロインとは異なる存在で、プレイしながらどう展開していくのだろうかとあれこれ考えていました。前半は久遠に関する情報がほとんど出てこない上に攻略が最後ということもあり、久遠ルートに入る前はわくわくしっぱなしで。で、いきなり奈良時代に突入するからええええぇって(予想はしてたけど)。おら世界史選択してたから詳しくねーべ・・・と思っていましたが、大して日本史の知識がなくても話の流れはつかめるので大丈夫でしょう。あればさらに楽しめること間違いなしかと。
迦留魔って天人で1200年経っても姿変わらないよね。なのにどうして奈良時代の時に10年で子どもから大人に成長したの?天人って大人になってからはそうそう歳をとらなくなる設定なのかな・・・という疑問はさておき、
久遠ルートは迦留魔自身のお話でもあったように感じました。
久遠を理からはずれた存在にしてしまったのが迦留魔の罪。その罪を償うためには久遠の存在を消滅させる必要がある。しかし、迦留魔が久遠以外の他者との縁を全て切る道を選ぶとは思っていませんでした。
本当にこんなことが可能なのかは分かりませんが、愛する人と一緒にいたいという強い想いが伝わってきました。むしろ、その想いで押し切ったとも取れるでしょうか。悠久の章の最後のシーンが印象に残っています。縁を信じ続けた結果なのかなと。久遠も同じように信じていたのかも。
まとめ
人は誰もが罪を背負っていて、時にはその罪の重さに耐えられなくなって絶望してしまうことがあるけれども、どんな人にだって生きている意味がある。だから、前を向いて生きて欲しい。プレイしてこのことを強く感じました。
美羽夜、那由、玲亜の3人が迦留魔の裁きを受け此岸に戻る時に見せた笑顔は最高でした。本当に素晴らしいシーンで、自身の全てを受け入れ前に進もうとする決意が見てとれました。
仏教のことはよく分らないですが、「縁」というものを大切にしたいと思うようになりました。私たちは自分が誰からどんな境遇で生まれどんな運命を背負っていくのかを選ぶ自由を持っていません。だから、70億分の1の確率で出会った人とは何かしらの縁で結ばれているのではないでしょうか。縁の強さは人それぞれではありますが、大切にしたいと思える人に出会った時に、その縁を強いものにしていきたいです。
迦留魔が久遠との縁を信じたように。